日高キャトルセンター落成~酪農の省力化に期待~
町内の畜産農家の方が中心になって設立された農業生産法人が工事を進めていた「日高キャトルセンター」が竣工し、10月14日に落成式が行われました。このキャトルセンターは、近隣の酪農家から生後3日位の時点で子牛を預かり、育成を行う施設です。施設は、約14万2千平方メートルという広々とした敷地に、哺育舎1棟、月齢別の育成舎4棟、隔離舎1棟のほか、乾草舎、堆肥舎、事務所棟など、建築物の延べ面積も約1万3千平方メートルと大規模なもので、最大1000頭が飼養できるものです。



落成式の際に施設を見せていただきましたが、驚いたのは、このような規模で、スタッフは当面3人、増えても4~ 5人という少ない人数での運営していくということでした。普通であれば、10人程度のスタッフが必要らしいのですが、子牛の給餌や健康管理を徹底してシステム化したことにより、このような少人数での運営が可能となったとのことです。
給餌は子牛がミルクステーションや濃厚飼料ステーションに入ると個体識別標識(トランスポンダー)で認識され、その子牛の給餌計画に従った適量のミルクと濃厚飼料が与えられます。何らかの理由で哺乳しなかったり、飼料を食べなかったときは、警告する装置があり、同時に体重測定も行なわれ、そのデータをパソコンに送信して子牛の体調チェックをする仕組みでした。こうした統一された飼養管理による安定した育成により子牛の健康が保たれ、個体の質の向上が期待されます。まさに「優秀な乳牛は健康な子牛から」ということでしょうか。



このほかにも、堆肥舎ではハイテク発酵乾燥ロボットにより、発酵熱と太陽熱を利用して、牛の糞尿を急速に乾燥させて堆肥を作るシステムが設置されていたり、哺育舎の中では次亜塩素酸水が天丼から噴霧できる装置が設備されていたりと、随所でハイテク化されており、現代の畜産はこのような先進システムが中心になっているのかなと認識させられました。
このキャトルセンター事業の開始により、酪農家の皆さんの子牛育成にかかる労カが大幅に軽減され、ゆとりある経営が実現するとともに、余力ができたことにより経営規模の拡大など、新たな取り組みも可能となることが期待されます。酪農経営の基盤が一層強化されることを心から願うものです。
ちなみに、キャトル(cattle)というのは英語で牛の意で、雄牛(bull)と雌牛(cow)の総称だそうです。
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