いざという時に備えて「北海道警察・日高町合同災害警備訓練」
昨年は、9月に北海道胆振東部地震が発生し、震災対応に追われた年となりましたが、日高町の過去の災害の歴史を振り返ると、何といっても水害が多くを占めており、最近では平成28年の北海道豪雨災害がありました。この年の8月17日から23日の1週間に3つの台風が続々と北海道に上陸し、さらに8月29日からの前線と新たな台風の接近による大雨により、国道274号線日勝峠が各所で崩落したほか、清畠地区では高潮により国道が冠水し通行止めになり、周辺の住家では床上浸水の被害が発生し、ボートによる避難を余儀なくされました。
こうした過去の水害を教訓として、北海道警察・日高町合同災害警備訓練が去る7月25日に実施されました。訓練想定は、大雨により沙流川が氾濫し市街地が浸水したほか、土砂崩れが発生し車両等が巻き込まれる被害が起きたというもので、当日は、幼稚園や高齢者福祉施設の要配慮者の避難訓練及び避難所運営訓練のほか、救出救助情報収集や救出救助訓練などが行われました。当初予定されていた道警ヘリコプターによるホイスト救助訓練は、天候の事情で残念ながら中止となりましたが、沙流川に隣接する富川さるがわせせらぎ公園で実施された土砂埋没車両等や浸水した家屋からの救出救助訓練は、警察部隊・消防部隊のほか、災害救助犬も投入され実践的なものでした。また、この模様は、携帯電話回線で道警本部に送られ、さらに道警本部から衛星回線、衛星通信車を経由して門別警察署災害警備本部に設定された門別総合町民センターに映像が送信される映像通信対策も実施されました。
近年頻発する水害・土砂災害については、昨年、甚大な被害をもたらした西日本豪雨災害を踏まえ、国の防災基本計画の避難対策に関する修正がありました。まず、防災情報の伝達方法が変わり、5段階の警戒レベルで示されるようになりました。特に重要なのは市町村が発令する警戒レベル3(高齢者など避難に時間を要する人は避難→避難準備・高齢者等避難開始)と警戒レベル4(全員避難→避難勧告・避難指示)で、住民の皆さんには直ちに行動を起こしてもらう必要があります。
もう一つは、避難に関する基本姿勢の修正です。住民は「自らの命は自らが守る」という意識を持つ、行政は「住民が適切な避難行動をとれるよう全力で支援する」というものです。これは、近年の地球温暖化に伴う気象変動の激化や行政職員が限られていることなどにより、突発的に発生する激甚な災害への行政主導のハード対策・ソフト対策に限界があるため、住民主体の防災対策に転換していく必要があるという背景があります。このことは、何よりも住民の皆さんに正しく理解していただくことが大切でありますので、防災訓練はもとより様々な機会を通して伝えていきたいと思います。




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