北海道胆振東部地震 ~一日も早い復旧・復興に向けて~

9月6日午前3時8分頃、胆振管内中東部を震源とする大規模地震が発生し、厚真町で最大震度7を観測しました。日高町も震度6弱というこれまで記録したことのない揺れを経験することになりました。皆さんも真夜中の突然の地震に驚かれたことでしょう。私もすぐに目覚め回りを確認しようとしましたが、タンスが倒れたり食器などが散乱したりですぐには家の中の様子がわかりませんでした。
幸い津波はなかったのですが、地震発生直後には停電となり、町全体の被災状況が把握できない中、最初に取り組んだのは避難所の開設でしたが、津波を警戒して避難所開設前にすでに車で避難されている方もいました。避難所は最大で9か所に設置し、避難された方は延べ1208人となりました。

今回の地震災害対応の初動に当たり一番困ったのはやはり停電です。最初に固定電話が使えなくなり、防災行政無線もバッテリーが切れた時点で使用不能、携帯電話も基地局に電源が供給されないため徐々にダウンしていき住民の皆さんに情報を伝える手段が奪われていきました。避難所に食事も当初は備蓄していた非常食で賄い、その後に弁当などをスーパーやコンビニに手配しようとしたのですが、全道的な停電であったため工場からの供給がストップしたことから食糧確保が難しくなりました。幸い町内の日高地区(飛び地合併で平取町を挟み約60km離れている)が地震の被害が少なく電力も確保されていたので、こちらから食事を供給してもらいました。
当初もう一つの大きなトラブルは断水でした。地震直後から浄水施設の損壊、水道管の破断などで町内の広範囲で断水となり自衛隊に給水支援をお願いし、結果的に19日まで支援を受けました。水道の復旧には時間を要してしまい、特に復旧が最後になった富川西地区の皆様には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。

自衛隊には給水支援のほか、町営温泉「とねっこの湯」が被災して営業できなくなったため入浴支援もお願いすることになりました。9日から17日まで富川東防災広場に「熊乃湯」を開設してもらい、2300人を超える方の利用がありました。

地震後それぞれのご家庭で後片付けが始まると災害ゴミの処理に取り組まなければなりません。この災害ゴミを受け入れるため当初は町内10か所に集積所を設けましたが、またたく間に埋まってしまい途中からは富川東防災広場1か所に集約することとしました。今後、大量の災害ゴミの迅速な処理が課題です。この対応をする中でただ一つ残念だったのは、明らかに災害ゴミではないものがかなり含まれていたことでした。

地震発生後、日を追うにつれて被害状況が明らかになってきました。今回の地震は震度6弱という激しいものであったため住宅の被害も多くありました。今日(9月30日)現在、まだ罹災証明を受け付けておりますが今後も増える可能性があります。大きな被害を受けた方には見舞金の支給のほか、様々な制度を活用して復旧の支援を行っていきたいと思います。町の施設でも被害がありました。体育施設の機能を持った富川青少年会館は倒壊のおそれがあったため緊急に取り壊すことになったり、高台にある町営富川球場には大きな亀裂が生じ、下にある住宅に向かって崩れる可能性が出たため、地面にかかる負荷を減らすことを目的に照明塔やフェンスを撤去しました。球場は地質調査をして根本的な対策を考えます。
もちろんこれ以外にも様々な被害があり震災対応はいまだ途中ですが、それでも現在はようやく一段落したという状況です。今回の地震災害では、北海道開発局室蘭開発建設部、北海道日高振興局、陸上自衛隊、日高管内各町、日高西部消防組合、門別警察署など、関係各機関から様々なご支援をいただきました。本当にありがとうございました。
引き続き1日も早い復旧・復興に努力してまいります。
- お問い合わせ
-
総務課/人事給与グループ
〒059-2192
北海道沙流郡日高町門別本町210番地の1
電話:01456-2-5131
FAX:01456-2-5615