ネイチャーセミナー第9回 「ヒマラヤ・日高山脈」
- 2001年1月27日(土曜日)
- 講師:在田一則さん(北海道大学理学研究科地球惑星科学専攻助教授)
前日の夜から朝まで雪が降り続き、あたりは一面銀世界。どうなることか・・・と危ぶまれましたが、たくさんの方にお越しいただいて一安心でした。
写真が見当たらなかったので、お話内容の一部ダイジェストをどうぞ。
地球を見る上での重要ポイント
ポイントその(1): 大陸はどうやってできたか?
大陸ができて生物が陸にあがり、人間が登場した。
そうなると、どうやって大陸ができたのかは歴史的に重要な問題。
資源のでき方の問題にもつながる。
地球には水があった
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プレートテクトニクスが働いて地球表面のプレートが地球内部に潜り込むと、水を持ち込むためにまわりの岩石が融けやすくなる (そのうち花こう岩のマグマができる)
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大陸(花こう岩主体)ができる
ポイントその(2): 山はどうやってできたか?
対流圏は高さ10km程度で、山は6km程度ある。つまり対流圏へ与える山の影響は大。すると山がどうやってできたのか、どう変遷してきたのか、なぜできたのかは重要な問題。
さて山がどうやってできたか。
- パターン1 <浮力による隆起>
大陸縁辺で、陸地が太った(たとえば海洋プレートの沈み込みで花こう岩質マグマができ、陸地にくっついた)ことで浮力が生じる。 - パターン2 <断層運動による強制的な隆起>
ヒマラヤ、アルプス、日高など。衝上段層と呼ばれる、低角度でのし上げてくる断層が大規模に発達して強制的に山ができる。
川。
人は山を乗り越える。でも川(すなわち水)は山を登れないのでどうしようもない。
川は生物に影響が大きい。
氷河。
ヒマラヤの氷河は汚いのが特徴・・・土砂がたくさん混ざっているから。
20年位前まで中国は、「チベットに氷床(氷河の一形態で、大規模なもの。大陸氷河と同じ意味)はなかった」と言っていた。しかしドイツのフールさんは「氷床があった」と主張し、今も論争になっている。
それからヒマラヤやネパールの山・自然・風俗の様子、日高山脈の断面や地下構造を探る人工地震を使った探査など、豊富なスライドを交えてご紹介いただきました。
山岳会のメンバーさんをはじめ、町内外から多数の参加をいただきました。
ありがとうございました。
- 今回のセミナー参加者=19名、講師=1名、スタッフ=2名。
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日高山脈博物館
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電話:01457-6-9033
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