ネイチャーセミナー第8回 「北海道の火山」
- 2000年12月16日(土曜日)
- 講師:中川光弘さん(北海道大学理学研究科地球惑星科学専攻助手)
かなり悪天候だったんですよ、この日も・・・吹雪のために引き返さざるをえなかった方を出してしまうほど。中川さん、申し訳ありませんでした。

<爆発的>
重い噴出物は駆け下っていくので火砕流となり、軽いものは西風に乗って降下堆積物となる(飛んでいくので落ちた先では比較的粒が揃う)。
<やや静か>
伊豆大島:ボンボンと噴出物を飛ばす。
十勝岳のすり鉢火口:あんまり遠くへは飛ばずに、ふちにたまった状態。
<静か>
とろとろと溶岩が流れていく。伊豆大島や三宅島など。
というお話から、
- 羊蹄山などは規模の小さい噴火が何回も(何万年のうちに何十回と噴火)おきて軽石などが降り積もって山体をつくっていること
- 噴火の規模が大きいと大きな火口=つまりカルデラができること
- 屈斜路カルデラは、新しい時代のものでは日本最大で阿蘇をしのぐ規模であること
さらに雌阿寒、十勝、樽前などの噴火の様子、
そして、樽前や有珠の噴火とシャクシャインの乱が関連しているのではないか?という説、
同様に南九州の縄文文化と喜界島の特大噴火との関連、渤海の滅亡と白頭山の大噴火との関連など、歴史と火山のかかわりも地質屋さんからは指摘されていることの紹介。
火山と文明との関係:
火砕流が来ればもちろん死亡、50cm以上噴出物が積もれば移動せざるをえない、10cm以下でも生活は難しい(農業とか)。
このあと有珠の噴火史、マグマの性質、ハザードマップ、今回の噴火の詳細を説明いただきました。
ちなみに札幌やら増毛やら・・・プレートの位置からいうと火山ができていてもおかしくないようなところ・・・で火山がないのはなぜ?という疑問について、『日高山脈の生い立ちが関連しているらしい』という最新情報もちらっとお話してくださいました。
スライドもたっぷりで、とても充実した時間になりました。
- 今回のセミナー参加者=5名、講師=1名、スタッフ=1名。
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日高山脈博物館
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