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先月石と水のお話をしましたが、どうやら空気中にも何かを放出しているらしいというお話です。
花崗岩には、ウラン、トリウム、ラジウムなどの放射性元素が比較的多く含まれます。これはジルコンなど"ウランを多く含む鉱物"が多いせいだと思われます。陸地には花崗岩質の石が多いです。地球が冷え切ってしまわない秘密はこれら放射性物質が握っています。放射性元素が地球の中で壊れるのですが、そのとき発生する熱エネルギーがかなり重大なのです。
放射線は安全なものとはいえませんが、微量であれば有効にも使えるもののようです。たとえば温泉には放射能泉と呼ばれるものがあります。ラジウムとラドンが主体で、新陳代謝を活発にするそうです。道内にも二股ラジウム温泉や茂津多温泉など何箇所かあります。
このように地上では、微量ながら石からの放射線もあるわけです。
あらゆるものは、磁石の力の及ぶ範囲(磁場)に置かれると磁気を帯びるようになります。強く磁化されるかどうかはおのおのの性質によります。
そもそも大気や海だって石(地球)から吐き出されたものなんですよ、というお話です。
地球が生まれたのはおよそ46億年前です。さいしょ、太陽と、取り巻きの温度の高い星雲(アンドロメダ大星雲のようなもの)がありました。星雲がだんだん冷えてくるときにチリができます。チリはだんだん集まって小さな惑星が生まれ、小惑星がさらに衝突・合体を繰り返して原始の地球へと変わっていきます。
生まれたばかりの地球は「原始太陽系星雲」のガスを引き寄せて、大気としてまとっていました。これは現在の大気よりずっと量が多く、地表では数百気圧に達していたようです。この原始の大気は、当時非常に活発だった原始太陽からの激しい太陽風や紫外線のために吹き払われてしまったのだろうと考えられています。
地球内部から放出されたガスの集まったものです。『石』が吐き出した成分、ともいえましょう。火山ガスの組成に似たもの、つまり二酸化炭素、窒素、水分などが主成分だと考えられます。地球型の惑星である火星や金星も、二酸化炭素と窒素を主成分にしています。ほかに、火山ガスから考えると塩酸や硫化水素などもあったのでしょう。これらが、のちの生物活動(光合成)によって窒素と酸素主体の大気に変わります。
この考え方とは別に、小さな惑星が衝突して地球ができつつあるとき、つまりまだ高温の時期に、地表から水分や二酸化炭素が瞬間的に蒸発して大気のもととなったとする考え方もあります。
大気には大量の水蒸気が含まれていました。さいしょこそ大気中に含まれていましたが、地球が冷えるにしたがって液化して雨になり、低いところにたまりました。これが海の始まりです。
大気中に含まれていた成分のうち、特に塩酸は水に溶けやすいです。塩酸はすっかり海に溶けてしまい、原始の海はかなり濃い酸性水だったと思われます。強い酸性の水は地表の岩をどんどん浸食し、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどは海水に溶け出したでしょう。それで海は中和されてきたようです。
いくつかの意見があります。
などです。大気が一気にできたという立場にたって、海も早い時期にほぼ今の量に達したと考える人が多いようですがまだ決着はみていません。
余市の宇宙記念館に行く機会がありました。その中で、「大気は宇宙から見ると薄いベールのようだった」「火山噴火で出たチリの影響で、大気が光って見えた。今回は火山という自然現象だが、人間の活動で地球の破壊を引き起こさないようにしないといけない」という意味合いの言葉がありました。オゾンホールやダイオキシンなど、人間はいまや地球規模に影響を与えうる存在になっています。責任の重い時代です。
地球の歴史の中でもずいぶん早い頃から存在した細菌がいます。
その名も好熱菌、たんぱく質は70℃で変性しますがそれ以上の温度が大好きな菌です。30℃以下ではほとんど育ちません。
海底にはチムニー(煙突)と呼ばれるところがあります。海底火山のそばなどのとても熱いところで、煙突の先からとんでもなく熱い水が噴き出しています。軽く100℃を超えることが多く、300℃以上になることもあります。そのそばにいます。見た目はそこらにいる細菌と同じようなカプセル型で、「ちょっと変わった菌」くらいでしかありません。
しかもこれらの菌の中には酸素を必要としないものがいます。350℃の熱水を噴出する東太平洋のチムニーのそばには、硫化水素を酸化してエネルギーを得ている菌がたくさん住んでいます。水圧だってかなりのものでしょう。
高温大好き、高圧へっちゃら、酸素が無くても大丈夫、硫酸がエネルギー源・・・さてこれらの条件は、考えてみればまさに「初期の地球」状態です。そこでこれら好熱菌が地球にさいしょに出てきた生命ではなかろうか、という可能性が考えられています。
先にお話した通り、これらの細菌は今でも海底火山のそばなどに住んでいます。温泉などの地熱地帯も同様で、たしか登別あたりでもいるような話を聞いた覚えがあります。
今週は高山植物をめぐる話題をひとつ。新聞にも出ましたが、担当の方のお話を聞く機会がありましたのでご紹介します。
ピンク色で釣鐘型の花をつける、かわいらしい高山植物です。道内では大雪の山々が有名です。日高山脈ではペンケヌーシ岳だけに生息します。砂レキ地や風のあるところがお好みだそうで、普通はほかの植物と競合はしません。
羊蹄山では今までコマクサは知られていませんでした。それが、山小屋の管理をされている方が平成9年に「コマクサが植えられていて花も咲いている」と報告されたことがきっかけで公になりました。翌平成10年10月、地域の教育委員会の方などで構成されたパトロール隊が確認に出かけたところ、確かにありました。しかも落ちた種から増えたと思われる株まで存在しました。この結果は報告書にまとめられ、支庁管理者などにも伝えられました。新聞に出たのはこの時点です。さらに次の年の平成11年、環境庁・北海道・倶知安町の担当者が協議し、生態系を乱す恐れが強いので除去することが決まりました。実際に除去されたのは平成11年7月で、枠で囲ってほかの植物とともに生えている位置を正確に記録、番号をつけた上で除去しました。ほかの植物の根と絡んでいるものもあったそうです。除去したコマクサは植物標本になりました。ただうんと小さい株は取ることができず、今後数年ごとにモニタリングを行う必要が残りました。
除去にあたり、担当者はもちろん「過去羊蹄にコマクサがなかったか?」を調査しています。過去生えていた事実はなかったことを確認の上で除去したわけですが、一般のかたがたの反応はやはり賛否両論だったそうです。
高山植物や生き物などを「持ってくる」ことはもちろん禁止されていますが、「置いてくる」こともまずいのだということはあまりぴんとこないかもしれません。コマクサは各地で盗掘に遭って激減している花だから、なおさら割り切れないのはよくわかります。しかし、よそから持ってくるというのはたとえ善意であっても非常に危険な結果となることが多いです。わかりやすいところでは、外来の魚や植物などが在来の生物を駆逐してしまう例があげられるでしょう。