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「日高山脈襟裳国定公園」は、北海道の背骨といわれる雄大な日高山脈の山並み、広尾町から襟裳岬にかけての海蝕崖の続く海岸線一帯、そして花の名山として知られるアポイ岳とその周辺の3つの地区で構成される自然公園です。総面積103447haは、国定公園としては日本最大であり、その広大でバラエティに富んだ自然の姿は、私たちに様々な"顔"を見せてくれます。
北海道の中央南部を南北約150kmにわたって走る日高山脈は、「幌尻岳」を最高峰とする海抜1500~2000m級の山々が連なり、氷河の痕跡「カール」、稜線の鋭く切れ込んだ「ナイフリッジ」などの地形がその特徴です。
日高山脈の山々には、一般的な登山コースは整備されていません。山に近づくには道のない沢を竣行しなくてはならず、アプローチも相当長いことから、人が立ち入ることを拒む厳しい姿がそこにあります。
襟裳岬は、岬の先端から1500mにも及ぶ岩礁が連続する姿と、非常に風が強いことで知られていますが、一方で、岩礁の上にゼニガタアザラシののんびりとした姿が観察でき、穏やかな表情を楽しむこともできます。
アポイ岳は、標高わずか810mという低山でありながら、ヒダカソウをはじめ固有の高山植物が数多く見られることで知られています。日高山脈襟裳国定公園の中では登山道が整っており、身近に可憐な花々を見ることができるため、多くの登山者で賑わっています。
日付 | 内容 |
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昭和25年8月15日 | 襟裳道立公園指定。 |
昭和33年4月1日 | 北海道立自然公園条例の施行に伴い、襟裳道立自然公園に移行する。 |
昭和43年~44年 | 日高山脈学術調査が実施される。 |
昭和45年4月8日 | 日高山系国定公園指定促進期成会が発足する。 |
昭和51年~53年 | 日高山系自然生態系総合調査が実施される。 |
昭和56年10月1日 | 日高山脈襟裳国定公園指定。 |
平成13年10月1日 | 日高山脈襟裳国定公園指定20周年を迎え、記念行事が実施される。 |
自治体 | 面積 | 自治体 | 面積 | |
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日高町 | 11633 | 総面積 103447ha | 清水町 | 3418 |
平取町 | 2433 | 帯広市 | 6358 | |
新冠町 | 6707 | 芽室町 | 4190 | |
静内町 | 12378 | 中札内村 | 12728 | |
浦河町 | 8795 | 大樹町 | 13472 | |
様似町 | 7414 | 広尾町 | 9098 | |
えりも町 | 4823 |
日本の自然公園制度では、土地の所有者は国(国有林)や地方公共団体(道有林・市町村有林)のほか私有地の場合もあります。また、区域の中には森林のほか原野や農耕地、市街地になっているところも含まれています。そのため、国定公園の区域では、「特別保護地区」「第1種特別地域」第2種特別地域」「第3種特別地域」「普通地域」の5種類に分け、保護の必要性に応じて区域を分け、様々な土地利用や産業活動との調整を図っています。
日高山脈襟裳国定公園では、日高山脈脊稜部やアポイ岳の高山植物群落、幌満のキタゴヨウマツ自生地が「特別保護地区」に、また、人為の影響を受けていない低山帯上部から亜高山帯にかけての深い森林や襟裳岬周辺の風衝草原が「第1種特別地域」に指定され、その原生の自然を守るために特に強い規制が行なわれています。
「普通地域」以外の国定公園区域内では、「工作物の新増改築」「広告物の設置」「高山植物の採取」などを行なう場合に、北海道知事の許可を得なければなりません。また、スノーモービルで乗り入れることが禁止されている場所もあります。「普通地域」においても、許可は不要ですがあらかじめどのようなことを行なうのか届出が必要な場合があります。
以上、日高山脈襟裳国定公園パンフレット(日高山脈襟裳国定公園指定20周年記念事業実行委員会発行)より転載。