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掲載日
2022年6月8日更新

 

Ⅰ まちづくりの基本姿勢

本年3月の町長選挙において、日高町長として2期目の町政運営を担わせていただくことになりました。

2期目となる町政執行への私の所信を申し上げ、町民の皆様をはじめ議員各位のご理解とご協力をいただきたいと存じます。

新型コロナウイルス感染症の拡大により町民生活への影響が長期化する中で、度重なる変異により未だに収束が見通せない状況となっております。そのような中においても感染防止対策やワクチン接種事業をすすめ、ウィズコロナ社会へ対応していかなければなりません。

また、ロシアによるウクライナへの武力侵攻以来、世界経済に様々な影響が出ており、当然に国内経済にも波及しています。最近の諸物価の高騰が顕著な例で、国民生活はもちろんのこと、自治体の運営にも大きな影を落とし始めています。

コロナ禍に加えて経済不安への対処が求められる中で、皆さんと共に益々知恵を絞っていかなければなりませんが、私はこの知恵を絞る過程を大事にしていきたいと思います。町の様々な課題に取り組むに当たり、可能な限り町民の皆様にも参画をしていただき、そこで交わされる議論から生ずるエネルギーが町の活性化・町の元気に繋がっていくものと考えます。そして、それをベースに最終的には議員の皆様とさらに知恵を出し合い、第2次日高町総合振興計画の目標である「いきいきと働き、学び、安心と笑顔で暮らせるまち」の実現に取り組んでまいります。

 

Ⅱ 主要政策の推進

次に町政を推進するための主な政策について、申し上げます。

 

1 地域産業の振興

はじめに、第一次産業を取り巻く環境は長引くコロナ禍による国内消費の低迷や国際情勢を背景とした生産資材の高騰など、不可抗力的な事象による影響から以前にも増して厳しい局面が続いております。

水稲や施設野菜などの耕種農業につきましては、引き続き国や北海道の農業政策・補助事業等を活用しながら、生産体制の維持や法人化の取り組みを支援するなど、安定的な農産物の生産と収益向上の支援に努めてまいります。

酪農・肉用牛につきましては、コロナ禍の影響による飼料の高騰、外食産業を中心とした国内の消費減退が経営を揺さぶる懸念材料となっておりますが、関係機関と連携して消費増大に寄与していくほか、規模拡大や省力化への取り組みに対し、畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業(畜産クラスター事業)等の補助事業を活用しながら安定した生産活動への支援を続けてまいります。

農業従事者の高齢化や働き手不足への対策につきましては、東京・札幌等で開催される新規就農者募集イベントへの参加で農業参入を目指す人材の獲得に努めるほか、地域おこし協力隊の制度を活用し、地域農業の担い手となる新規就農者の育成を図ってまいります。また、軽種馬生産に特化した人材養成事業に対し、町内牧場の働き手不足の一助となるよう側面からの支援を継続するほか、後継者対策につきましては、青年農業者を中心とした婚活イベントの継続実施により、将来のパートナー探しを後押しし、農業後継者の確保に尽力してまいります。

有害鳥獣対策につきましては、北海道及び日高管内各町と連携したエゾシカ・アライグマ等の有害鳥獣駆除の実施に努め、農林業被害の減少に必要な措置を継続してまいります。

軽種馬生産につきましては、オール日高の取り組みとして「強い馬づくりと軽種馬経営の持続的発展に資する馬産地活性化」の要望活動を国など関係各方面に対して継続的に行うなど、主軸となる馬生産振興事業の拡充に努めてまいります。

ホッカイドウ競馬につきましては、令和3年度の開催において、新型コロナウイルス感染症の影響により門別競馬場においても27日間無観客開催となりましたが、発売額は前年比139.1%となり、11年連続で前年度を上回り、ホッカイドウ競馬史上最高額を更新するとともに9年連続の黒字決算見込みとなるなど、好調を維持しております。
さらに「第3回JBC2歳優駿(JpnⅢ)」が盛岡競馬場と連携のもと開催されることが決定いたしました。これを機会に、全国の関係者や競馬ファンに向けた日高町のPRと情報発信を行うとともに、日高管内の基幹産業である軽種馬産業を支える産地競馬としての体制をさらに強化していくために、北海道や関係機関と一体となって、より一層の活性化に努めてまいります。

林業につきましては、日高町森林整備計画に基づき森林の持つ多面的・公益的な機能が充分に発揮されるよう、森林環境譲与税の有効活用を念頭におきながら、町有林におきましては森林環境保全整備事業等による間伐などの保育事業を計画的に実施し、民有林につきましては豊かな森づくり推進事業や日高町森林整備推進事業の促進により、未整備森林所有者へ適確な森林施業の実施を推奨し、森林の適正管理・森林機能の維持保全に努めてまいります。

水産業につきましては、主要魚種であるサケ・マスの記録的な不漁、コロナ禍での外食需要の減少のほか、昨年9月には北海道では初めてとなる赤潮被害の発生なども懸念材料となり、漁業を取り巻く環境も大変厳しい状況ですが、安定した水産資源の確保と漁業経営の維持のため、ひだか漁業協同組合をはじめとした関係機関と緊密に連携し、水産資源の増殖事業と安定した漁業活動への支援を継続してまいります。
また、ひだか漁業協同組合が事業主体となり、令和元年度着工しました静内対空射撃場周辺漁業用施設設置助成事業を活用した水産物加工施設が令和3年12月に完成し、本年4月から本稼働しており、今後は地域漁業の発展と地場水産品の消費拡大が見込まれ、日高管内唯一の施設として漁業活性化に寄与することを期待しております。

商工業につきましては、日高町中小企業・小規模企業振興条例を基本に、地域経済の発展に重要な役割を果たしている小規模企業の振興を図るため、新たに創設した経営資金支援制度を地元企業が有効活用できるよう、日高町商工会と連携し、効果的な運用に努めてまいります。
また、新型コロナウイルス感染症により大きく影響を受けた地域経済につきましては、引き続き国や北海道が行う経済対策の動向を注視し、必要な対策を速やかに講じられるよう努めていくとともに、地域の賑わい創出や地場産品の消費拡大に向けた取り組みを進めてまいります。

観光振興につきましては、新たに設立された日高町観光まちづくり協会と連携し、町の魅力発信や特産品の開発、販売など、町民の皆様と一緒に取り組む事業を展開してまいります。
また、JR日高線跡地を活用して整備しました旧JR日高門別駅舎を新たな観光情報発信の拠点として活用してまいります。

日高山脈襟裳国定公園の国立公園化につきましては、環境省において、国立公園指定に向けた所要の手続きが進められていますが、日高町内での指定エリアの拡大のほか、自然保護官事務所の設置やビジターセンターの整備などを同省並びに関係省庁に要望しているところであり、実現に向けた活動を続けてまいります。
また、指定後には国立公園としてのネームバリューを最大限活用し、日高沙流川オートキャンプ場、日高国際スキー場、沙流川温泉ひだか高原荘などの町有施設の利用促進に結びつけるほか、国立日高青少年自然の家との連携を一層強固にし、町活性化に繋がる観光振興事業に取り組んでまいります。

 

2 生活環境の整備

地域の公共交通につきましては、町民が安定した日常生活を送れるよう公共交通サービスの体制を整備するため、既存の生活バス路線、町営バス及び町営の送迎事業などの利用状況を分析し、より利便性・効率性が良い交通体系の構築に向けて検討してまいります。
また、日高地域広域公共バスにつきましては、引き続き持続性のある、より利便性の高い交通体系となるよう、運行ルートやダイヤについて各関係機関と協議を進めてまいります。

富川市街地活性化事業につきましては、富川市街地づくり会議での意見を踏まえて、生活や交流の拠点に加え、交通の要衝として、にぎわいのある魅力的な複合施設となるよう整備に取り組んでまいります。

道路整備につきましては、通学路や未舗装道路の整備に取り組むとともに、老朽化した舗装路面等の舗装修繕計画に基づく効率的かつ適切な維持管理を行い、安全・安心な交通環境の整備に努めてまいります。

橋梁の整備につきましては、長寿命化修繕計画に基づき定期的な点検を実施するとともに、予防的な修繕等の実施を徹底することにより修繕・架替えに係る事業費の縮減に努めてまいります。

河川整備につきましては、災害の危険度が高い河川において、河道内の堆積土砂の除去や伐木等により防災・減災対策に努めてまいります。

町営住宅整備につきましては、住生活基本計画及び公営住宅等長寿命化計画に基づき実施しているところでありますが、新栄団地の整備につきましては、令和10年度までに14棟56戸の建設を予定しており、昨年度の1棟4戸に続き、本年度は2棟8戸の建設を予定しております。

下水道事業につきましては、ストックマネジメント計画に基づき、富川浄化センターの機器及び日高地区マンホールポンプの更新に取り組むほか、農業集落排水施設である厚賀浄化センターの機能強化に取り組んでまいります。

上水道事業につきましては、重要給水施設配水管整備事業による耐震管への更新のほか、水道未普及解消事業による庫富地区への水道管整備を推進してまいります。
また、一層の経費節減と収納率の向上により経営基盤を強化するととも、適切な維持管理に取り組んでまいります。

日高地区の簡易水道事業につきましては、各施設の適切な維持管理を行い、安定的な水道水の供給に努めてまいります。
また、料金改定を含む中長期の経営計画(経営戦略)に基づき、健全な経営に努めてまいります。

 

3 安心して暮らせるまちづくり

新型コロナウイルス感染症予防対策につきましては、引き続き国のワクチン接種体制確保事業に基づき、迅速かつ適切なワクチン接種の提供に努めてまいります。

本年は、当町の健康づくりの指針としている日高町第3次保健計画の最終年となりますことから、これまでの検証と課題等を整理し、日高町第4次保健計画を策定することといたします。

児童福祉につきましては、コロナ禍における家庭生活への様々な影響がある中で、引き続き児童虐待の防止など、児童相談所との連携を強化し、より迅速かつ適切な対応を図るとともに各関係機関も含め情報の共有や連携を進めてまいります。
また、広域で運営している子ども発達支援事業や、通所療育支援事業の在り方につきまして引き続き検討してまいります。

子育て支援につきましては、第2期子ども・子育て支援事業計画で示された需要計画の維持及び確保を図りながら、子育て世代包括支援センターや子育て支援センターわくわく館、保育所、児童館などにおける子育て支援体制を充実させるとともに、放課後児童健全育成事業の適切な運営に努めてまいります。

保育所につきましては、富川地区におきまして幼児教育及び保育を一体とする幼保連携型認定こども園の創設に向け施設整備が進められておりますが、その費用負担など様々な支援を行い保育の確保に努めるとともに、町内初の認定こども園の円滑な運営に寄与してまいります。
また、老朽化した町内施設につきましては、計画的に整備を行うなど、安全で安心できる保育環境の維持に努めてまいります。

高齢者福祉につきましては、令和3年度から令和5年度までの高齢者保健福祉計画及び第8期介護保険事業計画に基づき、高齢者が住み慣れた町で安心して暮らし続けられるよう関係機関が連携し、地域包括ケアシステムの推進、介護予防事業や在宅福祉サービスの取り組みを充実してまいります。
また、認知症の理解促進、権利擁護の普及啓発を進めるとともに、地域サロン活動や地域高齢者等の支え合い活動などを推進してまいります。

国民健康保険事業につきましては、特定健診・特定保健指導の実施率の向上を図るとともに、医療費増加の抑制を目指し、町民の健康づくりに取り組んでまいります。
生活習慣病の発症や重症化予防の取り組みとして、加入者の健康課題を分析しつつ、健康寿命の延伸を目的とした各種検診等の受診勧奨を進めてまいります。

門別国保病院につきましては、地域に根付いた医療機関として、引き続き医師や看護師などの医療技術者の確保と安心して受診・療養できる医療提供体制の整備に努めるとともに、経営の安定と地域医療の充実を図ってまいります。

日高国保診療所につきましては、日高地区の医療機関として、町民ひとりひとりが安心して受診できるよう、現状の医療体制を維持しながら経営の安定に努めてまいります。

富川国保診療所につきましては、地域医療の確保と経営の健全化を図るとともに、門別国保病院と連携しながら予防接種や検診事業などを実施し、町民の健康保持と安全安心な医療体制を確保してまいります。

防災対策につきましては、自主防災組織を主体とした活動を支援し、自助・共助の意識向上のほか、防災講演会などを通じて災害に対する啓発に努めてまいります。
また、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震につきまして、その対策を推進する改正特別措置法が成立したところであり、津波浸水想定のほか、今後公表される予定の被害想定を踏まえて、迅速な避難態勢を中心に改めて対策を検討してまいります。

 

4 持続可能な行財政運営

行政運営につきましては、コロナ禍に加えてロシアのウクライナ侵攻による緊迫した国際情勢等により電気料金、燃料代など公的支出の増加や原材料等のコスト上昇の影響が懸念され、不透明な財政環境が続くと想定されますが、限られた財源の中、持続可能な財政運営を目指すために、各種施策や事業について目的や費用対効果を検証するとともに、公共性、緊急度、必要性などを精査した優先順位付けを行うなど効率的で効果的な執行を目指し、一層の見直しに取り組んでまいります。

 

Ⅲ 予算案の概要

令和4年度の予算編成につきましては、国の令和4年度の地方財政計画では、コロナ禍においても堅調な税収等を踏まえ、地方税及び地方交付税が増加すると見込む一方、臨時財政対策債を減少させ、交付ベースの一般財源総額を令和3年度計画とほぼ同額と見込んでいるため、令和4年度一般会計予算の一般財源ベースは令和3年度とほぼ同額で計上しております。

当町におきましては、幼児教育・保育の無償化など、社会保障経費の増や学校給食無償化事業の継続、災害復旧事業及び過疎対策事業に伴う元利償還金の増等、歳出予算の抑制が難しい状況ではありますが、各会計の予算編成は、限られた財源のもと、財政の健全化を念頭に置きながら、第2次日高町総合振興計画の目指す将来像実現に向けた様々な施策や事業を盛り込んだところであります。

一般会計の予算規模につきましては、扶助費や公債費などの義務的経費が年々増加する中、認定こども園施設整備補助事業及び保育所等整備補助事業、町道や公営住宅等の投資的事業、富川市街地活性化事業、アイヌ政策推進交付金事業などを予算計上したことにより、基金や地方債などに依存する厳しい予算編成となったところであります。

 

Ⅳ むすび

以上、令和4度の町政執行に臨む、私の所信を述べさせていただきました。

コロナ禍で、働き方の多様化やデジタル化の急速な進展など、社会の変化が生じていると同時に、少子高齢化・人口減少への対応、また頻発化する自然災害への備えなど、引き続き大きな課題が立ちはだかっております。こうした課題に立ち向いながら、冒頭に申し上げた町政運営の姿勢を基本として私が掲げている「町を元気に」という目標を実現するため誠心誠意、町政運営に取り組んでまいります。

町民の皆様、議員の皆様のより一層のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

 

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