○日高町認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成29年4月17日

告示第14号

(趣旨)

第1条 この告示は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるために、認知症の者等及びその家族に対し、早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築する事業(以下「事業」という。)を実施することについて必要な事項を定めるものとする。

(実施主体)

第2条 事業の実施主体は、日高町とする。ただし、町長は、事業の一部を適切な事業運営が確保できると認められる団体等に委託することができる。

(支援対象者)

第3条 事業の支援対象者(以下「支援対象者」という。)は、原則として在宅で生活している40歳以上の認知症が疑われる者及び認知症の者であって、次のいずれかに該当する者とする。

(1) 医療サービス又は介護サービスを受けていない、又は中断している者で次のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結びついていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが、認知症の行動及び心理症状が顕著なため、その家族等が苦慮している者

(実施体制)

第4条 事業を実施するため、門別地域包括支援センター及び日高地域包括支援センターに支援チームを置く。

2 支援チームは、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により支援対象者及びその家族の初期の支援を包括的及び集中的に行うことにより、自立生活のサポートを行うものとする。

3 支援チームは、次の要件を満たす専門職2人以上及び専門医1人以上による3人以上の認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)で構成し、チーム員は町長が委嘱又は任命する。

(1) 専門職は、次のいずれにも該当する者とする。

 保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士等の医療保健福祉関する国家資格を有する者

 認知症ケアの実務経験が3年以上又は在宅ケアの実務経験が3年以上ある者

 国が定める認知症初期集中支援チーム員研修を受講し、試験に合格した者(以下「研修受講者」という。)ただし、研修受講者であるチーム員と当該研修の受講内容を支援チーム内で共有する者の支援チームへの参加も可能とする。

(2) 専門医は、次のいずれかに該当する医師とする。

 日本老年精神医学会又は日本認知症学会の定める専門医であって、認知症サポート医である者

 認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とする臨床経験を5年以上有する者であって、認知症サポート医である者

(支援チーム及びチーム員の役割)

第5条 専門職は、支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために、支援対象者及びその家族等に対して訪問活動等を行う。

2 専門医は、認知症に関して専門的見解から他のチーム員に指導、助言等を行い、必要に応じて他のチーム員とともに支援対象者及びその家族を訪問し、相談に応ずる。

(支援対象者の把握等)

第6条 地域包括支援センターは、支援チームが支援対象者に関する情報を入手できるよう配慮するものとする。

2 支援チームは、支援対象者の把握に当たり直接的に支援対象者に関する情報を得たときは、地域包括支援センターと情報共有を図るものとする。

(初回訪問時の支援)

第7条 支援チームは、チーム員が初回訪問する際、支援対象者等に対し、次に掲げる支援を行うものとする。

(ア) 認知症の包括的な観察及び評価

(イ) 基本的な認知症に関する正しい情報の提供

(ウ) 専門医療機関への受診及び介護保険サービスの利用の効果に関する説明

(エ) 支援対象者及びその家族の心理的サポート、助言等

2 支援チームは、支援対象者の家族等あらかじめ協力の得られる者の同席の下、当該支援対象者から現病歴、既往歴、生活情報及び家族の状況等の情報を収集する。

3 初回訪問は、チーム員2人以上で行う。

(チーム員会議の開催)

第8条 支援チームは、初回訪問の後、支援対象者ごとに、観察・評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医を含むチーム員会議を行うものとする。

2 支援チームは、必要に応じ、支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、町職員等のチーム員会議への出席を求めることができる。

(初期集中支援の実施)

第9条 支援チームは、支援対象者が医療サービス又は介護サービスによる安定的な支援を受けるまでの間、次に掲げる初期集中支援を実施する。ただし、当該初期集中支援を実施する期間は、おおむね6月とする。

(ア) 医療機関への受診が必要な場合は、その動機付け

(イ) 継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援

(ウ) 介護サービスの利用等の勧奨及び誘導

(エ) 認知症の重症度に応じた助言

(オ) 身体を整えるケア

(カ) 生活環境等の改善

(キ) その他必要な初期集中支援

(初期集中支援終了後の活動)

第10条 支援チームは、初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合、当該支援対象者の担当介護支援専門員又は地域包括支援センターの職員等と同行訪問を行う等の方法で、当該介護支援専門員等に引き継ぎを行う。

2 チーム員会議は、前項の引継ぎ後に、支援対象者であった者の医療サービス又は介護サービスの利用状況等を評価し、支援の必要性を判断の上、随時モニタリングを行う。

(検討委員会の設置)

第11条 医療、保険及び福祉に携わる関係機関等により構成する認知症初期集中支援チーム検討委員会を設置し、支援チームの活動状況を評価するものとする。

(普及啓発)

第12条 町長は、地域住民、関係機関、関係団体等に対し、支援チームの役割及び機能について広報活動及び協力依頼を行う等の普及啓発に努めるものとする。

(連携及び情報共有)

第13条 町長は、支援チーム、医療関係者、介護サービス事業者等と連携し、これらの相互の情報共有ができる体制を確保できるよう努めるものとする。

2 支援チームは、前項の医療・介護関係者、地域包括支援センター職員及び町保健師と連携し、これらの者と情報共有できる仕組みを確保するものとする。

(個人情報の保護)

第14条 チーム員は、本事業により知り得た支援対象者等の個人情報について、その適切な管理に努めなければならない。その職を退いた後も同様とする。

(書類の保管)

第15条 町長は、支援対象者に関する情報、観察及び評価の結果、初期集中支援の内容等を記録した書類を5年間保管しなければならない。

(その他)

第16条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。

この告示は、公布の日から施行し、平成29年4月1日から適用する。

日高町認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成29年4月17日 告示第14号

(平成29年4月17日施行)